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開催日時

2019年7月7日(日)

​9:30-16:00

場所

​ウェスタ川越

(埼玉県川越市)

​テーマ

​患者-医療者間のギャップを考える

~比較からの脱却~

日時場所
​大会長挨拶
埼玉医科大学総合医療センターブレストケア科 教授
矢形 寛

がん哲学およびがん哲学外来の話を聞いたとき、患者の多くは理解できた、すとんと心に落ちた、と言うのに対して、医療者の多くはよくわからなかった、難しかったと言う。ここに明確な患者-医療者間のギャップが存在することは事実である。実際、私自身も以前は正直理解しにくかったのである。しかしあるとき、末期の状態にあった30代の乳がん患者さんから1冊の本をいただいた。そこには彼女の言葉が記されていたのである。彼女は、乳がんが再発してから、様々な事を考え、がん哲学外来を受診していた。そこで得て支えられた言葉が「八方塞がりでも天は常に開けている」であった。また彼女は患者と医療者の間の埋めようのない溝についても語っていた。私は事の重要性に気づき、これを機に「がん哲学 / がん哲学外来」なるものに興味を惹かれていったのである。

 

このギャップの原因を考えてみるに、医療者は医学的事象を、できるだけあいまいさを排除して整理し、論理的に把握しようとし、病気を通して患者を診るのに対して、患者は理屈ではなく今起こっていることに対して、そのときの自身の心境をありのままに捉えているのである。医療者は、がん哲学で語られる言葉を今ある知識と経験という枠の中で考えようとするが、結局自身の理解を超えた意味不明なものとしてその価値に気づかないという結果になってしまう。エビデンス(科学)を重視する現代医療の中ではこれも無理からぬところはある。科学は過去との比較において新たな真実を見出し、現代医療も比較を重視している。しかし患者の思いは比較ではない、いわば非科学である。医療者はその患者自身になれないとしても、患者が思っていること、感じていることを素直にみて、人として理解していくことは可能なはずである。患者との対話においては「正論」より「配慮」を大切にすることで、真に患者に寄り添い信頼関係の中で医療を遂行していくことが可能となる。さらに、患者自身も如何に比較から脱却し、過去やどうにもならない事を「ほっとけ」るようになるのか、あるいは他人と比較しない人生を送れるか議論する価値があろう。

そこで、本会のテーマを「患者−医療者間のギャップを考える ~比較からの脱却~」とし、医療者に必要なものは何なのか、今一度整理してみたいと思う。本会を足掛かりに、多くの方々が、よりよい心の支えを得て、豊かな人生を生きられるようになってもらえたらこの上ない幸せである。

大会長挨拶
スケジュール

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がん哲学外来市民学会第8回大会チラシ.jpg
がん哲学外来市民学会第8回大会チラシ裏.jpg
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受付期間 2019年5月1日(水)~6月28日(金)

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 ・川越35、川越35-1系統

  「ウェスタ川越前」下車すぐ

会場アクセス

2019年7月6日、7日

がん哲学外来市民学会第8回大会in埼玉は終了いたしました。

多くの皆様にご来場いただき、誠にありがとうございました。

がん哲学外来市民学会第8回大会 大会長 矢形寛

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